GlusterFS Community の特徴について こちら で紹介していますが、今回は Ubuntu(12.04 LTS) と CentOS(6系) へのインストール方法を説明します。
GlusterFS は RPM にせよ、dep にせよ異なるインストール方法が紹介されているケースが多いのですが、本記事では GlusterFS Community 公式のリポジトリを使って最新版をインストールする方法を紹介します。
GlusterFS が提供するパッケージ
GlusterFS では RPM と dep でいくつかのパッケージを提供しています。利用者はサーバ・クライアントに合わせて適切なパッケージをインストールする必要があります(ついでに言うと GlusterFS は 64bit 版のみ)。
以下は yum(RPM) で提供される代表的なパッケージです。
パッケージ | 説明 | クライアントで必要 | サーバで必要 |
---|---|---|---|
glusterfs | 共通ライブラリ(トランスレータモジュール)? | ○ | ○ |
glusterfs-fuse | fuse クライアント | ○ | - |
glusterfs-rdma | rdma(InfiniBand 等)用のモジュール | - | rdma 利用時 |
glusterfs-server | サーバ | - | ○ |
glusterfs-geo-replication | geo-replication(※1)用のパッケージ | geo-replication 機能利用時 | - |
※1 geo-replication:遠隔サイト間で GlusterFS のレプリケーションを行う機能
yum ではクライアントは glusterfs-fuse と glusterfs、サーバ側では glusterfs-server (RDMA ベースであれば glusterfs-rdma も)と glusterfs をインストールします。
以下は apt-get(dep) で提供される代表的なパッケージです。
パッケージ | 説明 | クライアントで必要 | サーバで必要 |
---|---|---|---|
glusterfs-common | 共通ライブラリ(トランスレータモジュール) | ○ | ○ |
glusterfs-client | GlusterFS クライアント | ○ | - |
glusterfs-server | サーバ | - | ○ |
apt-get ではクライアントは glusterfs-client、サーバ側では glusterfs-server のみインストールすれば共通ライブラリ等も依存関係として一緒にインストールされます。
なお、クライアントと言っても、NFS や CIFS でマウントしたい場合は glusterfs のクライアントは不要です。NFS や CIFS クライアントのパッケージをインストールしておいて下さい。
Ubuntu 12.04 LTS に GlusterFS をインストールする
まず Ubuntu 12.04 LTS に GlusterFS をインストースします。Ubuntu でファイアウォールを利用している場合、111(tcp/udp)、24007-24020(tcp)、38465-38490(tcp、NFS 利用時、利用状況に応じて増やす)を開ける必要があります。
$ sudo ufw status
$ sudo ufw enable # ファイアウォールを有効にしたい場合
$ sudo ufw default DENY # デフォルトを拒否に設定
$ sudo ufw allow proto tcp from 192.168.1.0/24 to any port 111
$ sudo ufw allow proto udp from 192.168.1.0/24 to any port 111
$ sudo ufw allow proto tcp from 192.168.1.0/24 to any port 24007:24020
$ sudo ufw allow proto tcp from 192.168.1.0/24 to any port 38465:38490
次に GlusterFS Community が提供する apt 用のリポジトリを追加します。
$ sudo apt-get install python-software-properties # add-apt-regository コマンドが無い場合
$ sudo add-apt-repository ppa:semiosis/ubuntu-glusterfs-3.3
$ sudo apt-get update
続いて GlusterFS をインストールします。
$ sudo apt-get install glusterfs-server # サーバをインストールしたい場合
$ sudo apt-get install glusterfs-client # クライアントをインストールしたい場合
OS が起動した時に GlusterFS も一緒に起動したい場合は次のコマンドも実行しておきます。
$ sudo update-rc.d glusterfs-server defaults
これで Ubuntu へのインストールは完了です。
CentOS 6系に GlusterFS をインストールする
次に CentOS に GlusterFS をインストールします。一応 6系で試していますが、5系等でも利用できると考えられます。
まずファイアウォールですが、これも Ubuntu 同様 111(tcp/udp)、24007-24020(tcp)、38465-38490(tcp、NFS 利用時、利用状況に応じて増やす)を開ける必要があります。
次に GlusterFS リポジトリを使えるようにします。
$ cd /etc/yum.repos.d
$ sudo wget http://download.gluster.org/pub/gluster/glusterfs/LATEST/RHEL/glusterfs-epel.repo
続いて GlusterFS をインストールします。
$ sudo yum install glusterfs glusterfs-server # サーバをインストールしたい場合
$ sudo yum install glusterfs-rdma # サーバ側で rdma を使う場合
$ sudo yum install glusterfs glusterfs-fuse # クライアント(TCP)をインストールしたい場合
これで CentOS へのインストールは完了です。