4.3. さまざまなボリュームオプション(その2) – GlusterFS Community ではじめる分散ファイルシステム

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4.3. さまざまなボリュームオプション(その2)

ディストリビューテッドストライプドボリューム

ディストリビューテッドストライプドボリュームはストライプしたブロック(ファイルの中のブロック)を複数のブリックに分散して配置するボリュームオプションです。

長所

ストライプドボリュームディストリビューテッドボリュームを組み合わせることで適度な性能向上と拡張性を備えています。

短所

ブリックが1台利用不可能になっただけでサービスに影響がある点はストライプやディストリビューテッドと同様です(特定のファイルにアクセスできなくなります)。

効果的なシステム

ストライプやディストリビューテッド同様大きな容量のファイルやキャッシュのような消失しても問題がなく、性能・拡張性が求められるようなシステムで効果的です。

注意点

ブリックの数はストライプ(stripe)として指定した数の倍数になるように作成します。

ボリュームの作り方

このボリューム作成時のコマンドはストライプドボリュームとほとんど同じで、ブリックに指定する数がストライプとして指定した数の倍になるという点だけが異なります。ボリュームを作るには次のようにコマンドを実行します。

gluster volume create <ボリューム名&> stripe <分割する数> transport [tcp | rdma | tcp,rdma] <ブリック>...

このコマンドを実際に使うと次のようになります。

# gluster volume create test-vol stripe 4 piett:/srv/test-vol1 piett:/srv/test-vol2 motti:/srv/test-vol1 motti:/srv/test-vol2 secura:/srv/test-vol1 secura:/srv/test-vol2 tano:/srv/test-vol1 tano:/srv/test-vol2

この例の場合まず4台のノード、8つのブリック上でボリュームが作成されます。その上で、1つのファイルが4つのブリックにまたがる形で分散されます。次のファイルは別の4つのブリックにまたがる形でまた分散されることになります。

ディストリビューテッドレプリケーテッドボリューム

ディストリビューテッドレプリケーテッドボリュームはレプリケート(ミラー)したブリックを1つのブリックと考え、これをまたいでファイルを配布するボリュームオプションです。

長所

ブリック単位でレプリケートされている為、ノード停止等によって1つのブリックが停止してもファイルアクセスに影響がありません。また拡張性も失われていません。

短所

可用性・拡張性を得る引き換えに多くのブリックが必要になることです。また、1つのブリックは1つのノードで提供されなければ可用性を失います。

効果的なシステム

適度な可用性・拡張性の為にどんなシステムでも有用です。

注意点

ブリックの数はレプリカ(replica)として指定した数の倍数になるように作成します。また、ボリューム作成時に指定するブリックの順序ごとにレプリカが作成される為、レプリカを構成するブリックが同じサーバとならないように注意が必要です。

ボリュームの作り方

このボリューム作成時のコマンドはレプリケーテッドボリュームとほとんど同じで、ブリックに指定する数がレプリカとして指定した数の倍になるという点だけが異なります。ボリュームを作るには次のようにコマンドを実行します。

gluster volume create <ボリューム名> replica <複製する数> transport [tcp | rdma | tcp,rdma] <ブリック>...

このコマンドを実際に使うと次のようになります。

# gluster volume create test-vol replica 2 piett:/srv/test-vol motti:/srv/test-vol secura:/srv/test-vol tano:/srv/test-vol

この例の場合 piett・motti と secura・tano でそれぞれレプリケートされたブリックが作成され、ファイルはこれらにランダムで配置されていきます。